雨宮はな

シニアイヤーの雨宮はなのレビュー・感想・評価

シニアイヤー(2022年製作の映画)
4.0
最後の最後で現代に染まった、チープで空っぽなメッセージに終わってしまって非常に残念。
「誰もが特別、競争なんて要らない」が無ければスコアは5で良かった。

「あの時代はかっこよかったよね」
「現代はクソダサい」
「“配慮”ってラベリングした暴力じゃん」
と思うことが多すぎる今日この頃。
それが主人公の視点からよく描かれていた。

他のキャラクターもよく作りこまれていて、人種の使い分けが見事だった。
「あの時代の男は脳チンで話が通じない」とか「社会的弱者が当時の理想で何かすると、真逆の圧力がかかる」とか、どこからの主張もテーブルに並べてくれる親切設計。

つっこみどころもあるけど、とにかく「主人公は医学的に証明された17歳」っていうのがよかった。
がっかりポイントではあるけど、主人公が最後に現代風に染まったのは17歳という若さゆえの柔軟性と未熟さによるものだと思う。
「クールで人気者」から「みんなが一番」という新しい・今のメジャーに転がっただけなのが、また皮肉で笑えた。
雨宮はな

雨宮はな