すがわら

劇場版 おうちでキャノンボール2020のすがわらのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます



 曇天から始まるいつもと違うキャノンボール。2020年5月ロックダウンの閉塞感、停滞感を切り取った社会派キャノンボールかと思いきや、それだけにとどまらないあまりに衝撃的な映像の数々に劇場は大ウケ。
 捕まえた女の子と2mのソーシャルディスタンスを保たなければならないという厳しい制約の下、各メンバーはあの手この手でav撮影を試みるんだけど、初参戦のマッチョ系av監督黒田さんが本当に笑撃的。
 高木の剪定に使う高枝切りバサミの先端にオナホをくっつけて、2m離れた位置にいる女の子にピストンしてもらう、いわばソーシャルディスタンス手コキをやる。その絵面があまりにも可笑しくて、しかもそこからどんどんエスカレートしていくので隣に座ってたおじさんはずっと笑ってた。俺も笑ってた。
 黒田さんの「足跡(爪痕)を残してやるぞ!」っていう激情が冒頭の停滞感や我々観客の憂鬱をも飲み込んで、映画は完全にアサッテの方向へ突っ走っていく。観終わったあと少し気が晴れる思いがした。
 
 コロナ禍という時代の空気感を高枝切りバサミで切り取り、切り抜いた先に青空を垣間見せてくれる素晴らしい映画だった。
 
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