わたふぁ

クラークスのわたふぁのレビュー・感想・評価

クラークス(1994年製作の映画)
-
店のクローズ作業までして疲れて寝て起きてまた開店準備をしにいくアルバイトのダンテ。ボスに頼まれたら断れないらしく、休日返上でしぶしぶ出勤。コーヒーを買いに来た客は、タバコを買いに来た別の客に肺ガンの怖さについて熱弁し始める。
隣のレンタルビデオ屋は店を閉めて遊びに来る。ガールフレンドも仕事前にお喋りに来た。店の前では売人が陽気にラリってる。噂によると、この前別れたばかりの元カノが知らない男と婚約したらしい...。

場末のコンビニエンスストアにて、不毛な会話が延々と。90年代の映画から漂う“余裕”みたいなものが好きです。バブル期の浮わついた感じが残る独特の雰囲気。ジャームッシュのコーヒー&シガレッツの香りもほのかに漂うけど、こっちは庶民派という感じ。

モノクロにすることで、視覚情報を最小限に減らし、会話に集中させることに成功している。不毛だったとしても会話劇で会話を聞いてもらえなければ命取りになるので、なるほど新発見だった。
カラーからモノクロに変換している作品は多々あれど「ベルリン・天使の詩」のとき以来の視覚効果の面白さを感じた、というと大げさか。