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マルクスは待ってくれるのkyokoのレビュー・感想・評価

マルクスは待ってくれる(2021年製作の映画)
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べロッキオ作品には、自身の家族(特に母親)が色濃く投影されている、らしい。べロッキオ作品をよく知っている人には興味深いドキュメンタリーに違いないだろうけど、残念ながら私は近年のべロッキオ作品を数作、しかもそこまで面白いとは感じなかったため、若干退屈&兄弟の見分けがつかなくて、この爺さん誰だっけでしばしば混乱。

精神的な病を抱えた長兄から、話は徐々にマルコの双子の弟カミッロへ。文化人として若いときから功を成した兄弟に対して何も持たない彼の苦悩と死は、家族に衝撃を齎しながらも、その記憶は今まで割とぞんざいに脇に追いやられていたことが垣間見える。

ベロッキオ兄弟姉妹にとっての終活映画ともいえる、実に私的な懺悔映画であった。
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