拓風

リバー、流れないでよの拓風のレビュー・感想・評価

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
4.0
ご近所のヨーロッパ企画がご近所のカフェを舞台とした「ドロステのはてで僕ら」に次ぐ、ご近所ご当地SF映画第二弾。

貴船の旅館を舞台に、記憶を維持したまま同じ時間が延々と繰り返されるという、タイムループもの。
そして映画史上最短ではないかと思う、「ループ期間が2分」というのがいかにもなところ。

同じ2分が延々と繰り返されるものの、初めはそれを皆が気付くまで、その後は各々がどうその2分を過ごすのかと言うのがミソで、次はどんな2分になるんだろうと観てて飽きない。

設定や例の物体などの映画としてのリアリティや抜けきれない演劇感は評価が分かれるところかもしれないけど、あのわちゃわちゃ感と箱庭感は相変わらずなので、あくまで舞台の延長線上として、舞台でできないことを観せられていると考えたら個人的にはそこは気にならず。
90分という短めの上映時間にぎゅっと詰め込んでいるのも、余計なことを考える暇を与えず良い方向に作用。

そして何より、2分のターンをきっちり時間内に収めながら並行して全体の話を進めていく脚本、主人公目線でのワンカット撮影、それに伴う全員の演技など、よく考えるととんでもない物を観せられている感は前作に引き続きどころか何ならそれ以上。

やはり彼らは面白い。

ちなみにお膝元、二条に行けばアレが見られます。
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