織田

リバー、流れないでよの織田のネタバレレビュー・内容・結末

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの映画館鑑賞。面白かったです!期待していったけどそれ以上に、本当に面白かった!

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数十回にもわたって繰り返される2分のターン。そもそも「ターン」という表現が面白いのですが、その全てのターンがミコトちゃん主眼で動いている中で、"彼女視点の2分間の裏で他の人たちがどう動いているのか"を考えるのも楽しい。

初期位置が風呂だった編集者おじさんとか現状把握するまで大変だったでしょうに…しかも部屋の内線番号をちゃんとあの一発で覚えたんか…!とか、作家先生がパソコンを窓から放り投げて遊ぶ(あれマジで笑った)境地にどういうふうに至ったのか?とか、後で想像が膨らんだ。

そんな妄想を可能にしたのは、この映画がリピートに次ぐリピートだったのにも関わらず、「またこれを見なきゃいけないのか」みたいな食傷感を与えなかったことが大きい。つまりターンごとにミコトちゃんたちは繰り返し同じことをしない、ということ。
それはなぜかというと登場人物たちが早々とループの現象に気づき、「何が水泡に帰して、何がリセットされずに残るのか」を把握して、徒労を防ぎ解決へ前進する姿勢をとるから。貴船でいま何が起こっているのか?の混乱の収拾は割と早かったかと思う。笑

初見ではわからないこともあるにはあった。
推しのチケットを取れたとか言ってたチノちゃんのループの使い方はちょっと謎で、相手にはチノちゃんからの連絡履歴が残るのだろうか?とか、タクちゃんが音楽ではなくフラ語を聞いてたからループに気づいてなくて「ごめん」って言ってたのは、自分のフランス語習熟がまだまだだから(フランス行きたいのに)なのかな?とか、ミコトちゃん以外の人物の深さもやはり魅力だと思う。

ちなみに一番凄かったのはこの映画のポスターに記された「また2分。」のコピー。
ミコトちゃんたちが直面する「2分前」への半永久的な逆戻りを表したものとしても当然秀逸ながら、『ドロステのはてで僕ら』を踏まえると、「また」は映画ドロステにもかかってくるのではと思った。

オチを含めてさすが!って感じの大傑作でした😂
織田

織田