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リバー、流れないでよのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)
4.3
京都の北側に位置する貴船の⽼舗料理旅館で働く仲居のミコトは、別館裏の貴船川のほとりに佇んでいたところを⼥将に呼ばれ仕事へと戻る。だが 2 分後、なぜか再び先ほどと同じ貴船川に佇んでいた。おかしいと思い作業を開始するも2分後また貴船川の前に戻される。そうこのエリア全体が2分間を永遠にループしていることに気づくのだった…。

永遠に繰り返す2分間。「長いようで短い」という言葉があるが2分間はまったく長くない。むしろ程よく短い。だがどれだけループしようが記憶は持ち越しされ頭に残る。

最初はこの奇妙な2分間を不思議がる旅館に住む仲居さんや女将、お客さん達であったが、次第に脱走を試みたり、死んでみたり、様々なことを試すようになる。そして「どうせ戻るのだから」と徐々に雑になり、今まで隠されていた人間模様があらわになっていく。雪が深々と降る情緒あふれる貴船が舞台ということもあり、ほんのりあたたかく、ほんのり切ない、これぞヨーロッパ企画と思わせる映画であった。
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