hoteltokyo

ボーンズ アンド オールのhoteltokyoのレビュー・感想・評価

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)
4.2
ある日、同世代の女の子から「夜を家抜け出して遊びにこない?」と誘われるマレン。厳しい父が寝ている好きにこっそり家を抜け出し、友人宅へ行くと、何気ない会話の最中、突然友人の指に噛み付いてしまう。突然の衝動に何が起こったのか分からず家に逃げ帰ると、父親は自分を捨てて逃げてしまう。そこに残されていた父親の肉声テープから、自分が人食いの属性があることを知る…的な物語。

父親から捨てられてしまった悲しみの最中、逃げる選択を取ったマレン。この逃避行の途中で同族の人食い少年と出会い、共に旅をする。人とではない”何か”というホラー要素と少女少年の心の成長劇がとても綺麗に交わっている。それはまるでA24が手掛ける映画とは違った淡いマジックアワーのようだった。

『テキサス・チェーンソー』、『ヒッチャー』、『ノーカントリー』名作には必ずといっていいほど変態的でなおっさんが登場するが、本作にもしっかり現れる。それがブリーフ三つ編みおじさんだ。この変態が少年処女の逃避行に妙な深みをもたらしてくれるのであった。
hoteltokyo

hoteltokyo