めんたいこ

哭悲/The Sadnessのめんたいこのレビュー・感想・評価

哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)
3.0
こんなはずでは。

僕はある時からFilmarksにはポジティブかつ高評価なレビューだけに絞るという運用をしるんだけど、本作はちょっと言いたいことがあったので例外的に筆をとる。

SNSで話題だった本作。ホラー・スプラッタ映画クラスタで随分持ち上げられてたのでワクワクしながら見たのだが。

確かにアナログにこだわったシズル感(?)は生々しいし、生理的な嫌悪感も描かれてはいる。ただし、だ。

本作の最大の欠点は「単純にお話が面白くない」ことに尽きる。推進力となりそうなキャラクターはちょいちょい出てくるのだが、どれも小物感があるというか、スーパーヴィラン・ダークヒーローとした魅力は兼ね備えていない。

ゾンビ化した人間が葛藤を抱えるという設定は面白いが、それが絵として表現されていないため「設定」の域を出ていない。例えば自傷行動を行いながら暴力衝動には抗えないなどの描写を入れていればより深みが出たのではないだろうか。

また演技に関してどうしても納得がいかないのが物語中盤のバイクでヒロインを探しに行くシーン、なんであんな涼し気な顔なんだろう。とある兆候を描くにしろタイミング的に微妙だし、あそこは普通に額に汗を流し苦痛に悶ながら運転するのが良かったのではないだろうか。指もげてるんだし。

街中を疾駆するゾンビという描写も28日後...のあとではフォロワーのひとつに思えるし、ゴア描写にもフレッシュなチャレンジはみられなかった。

個人的には凡作という印象が強かったが、本作を傑作と推す声が多かったのも事実なんだろう。多種多様な評があるのも映画というエンターテインメントの奥深さと言えるかもしれない。

ゾンビもので最近好きだったのは怪怪怪怪物!なので、こちらがオススメです!!!(陰惨なイジメ描写があるので大丈夫な人は見てね)