エイデン

CUBEのエイデンのレビュー・感想・評価

CUBE(1997年製作の映画)
-
高い技術によって作られた正六面体の部屋
六面全てにはハッチが付いており、抜けた先はまた同じような部屋が連なるという謎の建造物“キューブ”
そこでクエンティン、ワース、ハロウェイ、レブン、レイの5人が目を覚ます
何故 自分がここにいるのかすらわからないまま1つの部屋に集まった彼らは、胸に名前の書かれた同じデザインの服を着せられ、混乱の中にあった
安易に他の部屋へ行くことを禁じるクエンティンは、他の部屋で仕掛けられたワナに殺されかけたと言う
情報交換をしてみても眠っている間に拉致されたこと以外何もわからない
そんな中、レイは自分の靴を隣の部屋に投げ入れ、安全を確かめた後に移動するという方法で移動を始める
するとある部屋では靴を投げ入れた瞬間、壁から炎が噴き出し、クエンティンの言っていたことが真実だと一行は理解する
慎重に部屋を移動していく中で、探知システムへの深い知識があるレイは、クエンティンも知っている伝説的な脱獄のプロだと判明
その腕を信頼し、次の部屋へ進むレイを見守る一行だったが、靴を投げ入れ何も無かったにも関わらず突然ワナが作動し、彼は強酸を吹き付けられてしまう
レイは顔面を溶かされて死亡し、その様子を見て一行は靴だけでは探知できないワナがあることに絶望感を抱く
果たして彼らは謎のキューブから脱出できるのか



ヴィンチェンゾ・ナタリ監督のソリッド・シチュエーション・スリラー映画

目が覚めたら奇妙な場所におり、誰が何の目的でそれを行ったのかもわからない
上記のソリッド・シチュエーション・スリラー、俗に言う不条理スリラーというジャンルを開拓した名作
スタイリッシュで恐ろしいキューブの設定や、数学的な謎解き要素がウケてカルト的な人気を博した

追い詰められ極限状態で剥き出しになる人間性や、ショッキングなシーンによる緩急を付けた二重のスリラー要素
そしてキューブの謎と、プロットとしては単純なもののグッと引き込まれる巧みさが素晴らしい
徹頭徹尾貫いた緊張感とスリリングな展開に目が離せなくなる

本作の設定に関しては、ドラマ『トワイライト・ゾーン』の『Five Characters in Search of an Exit』から着想を得ており、それを元にした同監督の短編『Elevated』が原作
ソフト版で観られるので気になる人は観てほしい

またキューブの構造に関しては、本作の数学コンサルタントだったデビッド・W・プラヴィカが考案したもので、作中でも全貌や移動パターンなどは明かされていないものの、多くの数学マニアがこの謎に挑んだことでも話題になった
なおこの謎に関しては、ファンによってかなり確実性の高い説が導き出されているぞ

ワン・シチュエーションによる映像とか、ライト色だけ変えた部屋の使い回しとか、低予算らしい創意工夫と徹底的なクオリティへの追求が勝利した力作なので個人的にもかなり好み
前述のジャンル開拓、続編や前日譚、日本のリメイクなどをはじめ、山のようなパクリ作品も生み出した名作なのでオススメ
エイデン

エイデン