ジェームズ•グレイ監督が1980年代初頭の自身の少年時代を基に描いた半自伝的作品。
ウクライナ系ユダヤ人の家庭に育つ少年ポールは、芸術家になることを夢見て、同じく学校に馴染めない黒人の少年ジョニーと仲良くなる。
自身や祖父アーロンのユダヤ系という出自に子どもながら葛藤しつつ、ジョニーへの黒人差別を目の当たりにして世界の不条理を感じる。
祖父アーロンの「高潔であれ」という箴言と、父の「世界は不公平」というアドバイス。
そこにある多少のズレが、すごく切実。
少年の成長譚として、とても丁寧に掘り下げられていて、奥深く切ない。
キャスト陣の演技は上質で、特にアンソニー•ホプキンスはさすがの存在感。