クライムズ・オブ・ザ・フューチャーのいずむのレビュー・感想・評価

生ユッケが居酒屋で食べられなくなって久しく経つがあの頃に今の世の中をどのくらい予見していたかなーと思った。歯を磨いたあとにプラスチックをバリボリ頬張る無垢な少年の姿に人類の進行方向はすでに何処かで歯止めがきかなくなっているのかもしれないと思わせる。その前提を元に歪んでしまった三大欲求のうち何か一つを選ぶとしたら人々は新たな悦楽をどのように享受するだろうか？という思考実験が延々と展開される画面の恍惚に齢80クローネンバーグ御大の真骨頂を見させて頂きました。具合が良いのか悪いのかよくわからんヴィゴ・モーテンセンに気持ちが良いのか悪いのかよくわからんレア・セドゥが最高。そしてブルッと我慢しきれなくなってる変態性の暴走を抑え込むクリステン・ステュワートの見事な視線の泳ぎっぷり。ライフウェア何ちゃらの二人が改造してるのか遊んでるのかよくわからんのも最高。