いずむ

オッペンハイマーのいずむのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.9
フィルマークスの星取は0.5刻みと決めていたがこの映画だけは0.1にしておこう。心の棚にしまったらドキュメンタリータッチではなく監督の作家性が色濃い著名人の映画化ということで『ソーシャル・ネットワーク』の隣になった。オッペンハイマーが見たものは数式の音色だったのか、それとも神からの啓示か、思想闘争の果てに消し炭になった世界の灰色か、思考をやめ目を閉じた先に祈るように見たのは核兵器が生まれなかった世界なのか。「砂漠は知り尽くしてる。もうすぐ雨は止む。」映画を知り尽くしたクリストファー・ノーランの作品には、見る者をある種の発明に同行させるようなロマンがある。まだまだ面白い映画を見させてくれる「未来」が今この瞬間紡がれているのだと思う。
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