序盤のタイトルバックがすごく静かで、なんの飾り気もなく白の英字で端っこの方に書いてあるのが好きだった。
作った人達がこの物語を静謐な雰囲気で始めるべき物語だって受け取ってくれてたことが分かるから。
みていて1番思ったのは見栄の切り方が決まってんなーということ
漫画で印象的だったシーンの再現だけじゃなくて映像でもちゃんと格好よく映し出してくれててグッときた
物語としても、終始アシㇼパと杉元の物語に徹していて出会いからチームになるまでで一度物語が完結しているため、続き物特有のモヤモヤ感がなくていい。切り取り方というか、再編が良かったのかなと思う
ギャグシーンも原作再現を優先させて、くどくせず、ふざけすぎず、嫌な気持ちはしなかった。
役者さんたちも皆さんすごく良かったけど、いちばん印象的だったのは月島役の方かな
月島特有の全てを諦めた投げやりさを感じる濁った目をしていて、目立ちはしないけど目を引く演技で素晴らしいなと思った
主役の山﨑賢人に関してはいちばん不安だったけど杞憂でよかったなぁと思う。杉元がきちんと深いところに傷を持った人物であるとわかる顔をしてくれた。山田杏奈のアシㇼパの表情も素敵だった。
あと白石とか牛山をちゃんと格好よく撮ってくれてる、演じてくれてるところが嬉しかった
ラストでコミックスの表記と同じ字体でゴールデンカムイと表示されたのも良かった
エンドロールの映像まで凝っていて楽しくて、エンドロールは長さを感じなくて、ずっと楽しかった
本編でのスローモーションの多用は後半になってくるとちょっと辛かったけど全然まぁ、耐えれるくらいかなとも思う
あと今回映画でみて、やっぱりストーリーがすごくいいなぁこの漫画はと思った。戦争では英雄扱いされても戦地から戻ってきたら心に傷だけ抱えて仕事もなく居場所がないまま報われないってのは、かつてサムライが辿った道と同じで、、だから土方の存在が物語に必要だったんだなってのがよくわかる
みんな消えない傷を抱えたまま、それでもどう生きるかを探してる。
彼らは金塊を探してるんじゃなくて生きる道を探してるんだろうと思う。
漫画では作者が登場人物みんなにちゃんとそれぞれ答えを出してくれてる。ひとりひとりの物語を完結させてくれている。
どうか、映画としても始まってしまったこの物語が、最後まできちんと語られることを願ってる。
続き作ると思うけど、何作で終わる予定なのだろうか?かなり長くなると思うけど………………………
ロード・オブ・ザ・リングみたいになりそう