てづか

ブラックボックス:音声分析捜査のてづかのレビュー・感想・評価

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面白かった。
展開は王道ながらも無駄のない編集と緊張感ある演出で楽しく観れたし、引き込まれた。
音の演出が良かったんだと思う。

主人公に聴こえる音と他人に聴こえている音の違いや、主人公の聴力が人より優れすぎていることを言葉でなく音だけで表現しているところがスマートだった。これが映画なんだろうなあと思う。

狂っているのは主人公か、周りの人間か、、
何が嘘で何が真実か?
愛する人から軽蔑されても真実を追究していく主人公は一見狂気的にすら見えるが、どこまでも行動原理は純粋で。
その理由の説明も随所で邪魔にならない程度に描写されているのでそこも良かった。
人によっての見え方の違い的なのを描いているのも、映画ならではで良かったと思う。


真実を追究していった先の結末は、まぁまぁツッコミどころもあるけども、私は好きだなと思った。

信じる人が誰もいなくなっても、彼は真実を突き止めたし、彼宛に残した人間だけがそれをずっと信じていた。というアツさ。

そして、一部の人間以外にその頑張りを知るものは誰もいない。という切なさ。

歴史の影に埋もれたヒーローみたいで、こういう展開には弱い。

誰に信じてもらえなくても自分で自分を信じてやり続けた先にのみ答えはあるんだなぁと思うなどした。

私には到底できないことだ。

最後は展開のために殺された感もあるので、それだけが結構気になったけど…。
まあその他にも色々突っ込みたい所はあったりもしたけど……………。

謎解きみたいなのを期待していくと肩透かしなのかもしれない。

展開は読めたけど、個人的には楽しめた映画だった。
てづか

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