リラリオ

ぜんぶ売女よりマシのリラリオのレビュー・感想・評価

ぜんぶ売女よりマシ(2017年製作の映画)
3.0
2013年7月11日 エヴァ・マリーは元夫に殺される。スウェーデン国内では三面記事止まりの事件だったが、その内実はまるでディストピア小説。政府による冷酷無惨な殺人であった…。

悪夢の始まりは、2009年。
エヴァ・マリー、第2子を妊娠→夫ヨエルのDVエスカレート→福祉事務所に相談→離婚したら?→金ねぇから無理…→出産後、ストックホルムでセックスワーク始める→従姉が福祉と夫にチクる→責任能力なしと見なされ子供たち保護される→子供たち、ヨエルの元へ。
たった2週間の売春が彼女の人生を変えてしまう…。

1950年代~1970年代にかけてスウェーデンは性解放の旗手として北欧諸国を牽引してた。しかし、保守派の台頭により80年代に状況が一変し、女性の権利運動が高まり、性労働の環境が悪化する。

スウェーデンでは子供を王様扱い。福祉事務所の決定は絶対的→福祉事務所「売春婦は、社会の敵!」→「子供と自分の権利のため闘う!セックス売っても私の価値は減らん!」戦闘モード全開!

信念を曲げず主張するエヴァ・マリー。だが、出る杭は打たれる…。
子供に面会できず→「元夫が子供に会わせてくれない!」→福祉事務所「そんなの知らねぇ~」介入せず→ヨエル、調子にのる→子供を使ってエヴァ・マリーのメンタルを壊す→やりたい放題のヨエルと再び法廷で対峙する→陪審員を脅迫するヤバスなヨエル→エヴァ・マリー側「こりゃ勝てる」→しかし…ヤバスなDV男に軍配が上がる。エヴァ・マリーの試み全て失敗。客を5人取ったことへの終わらない罪…。
エヴァ・マリーは、他の女性のために闘い続けることを決意し、セックスワーカーの権利を訴える活動家となる。

2013年7月…子供との面会をようやく許される。福祉事務所の敷地でヨエルが同席。そして事件が…。

フェミニストが支持した制度が実は性差別。「スウェーデン・モデル」と呼ばれる政策の犠牲になってしまったエヴァ・マリー…社会福祉国の闇を映す悲しみと怒りのドキュメンタリー映画。
でも自分の母親が売春婦って…嫌だな。
Markもclipもゼロだったが…まぁ…悪くはなかったっス(笑)
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