真魚八重子

ヒンターラントの真魚八重子のレビュー・感想・評価

ヒンターラント(2021年製作の映画)
4.5
これこそ2時間くらいあってもいいのに、1時間半の駆け足で映画が進む。あっという間のミステリー。主人公は収容所から命からがら帰ってきたのに、故郷はすでに復興が進んでいて、都会的になり始めている。仲間たちも復員兵はねぎらわれるどころか、毛嫌いされて浮浪者と同様の扱いを受ける。職場に戻っても、「アカになって帰ってきたか」と罵られる始末で、しばらく観ているのがつらかった。

兵役に就いていた者たちが、連続殺人の犠牲者となっていく。それも残酷な方法で、あるメッセージも残されている。主人公は刑事の職に復帰しつつ、昔の仲間の安否を気遣う。
短い間に男同士の愛、友情、兄弟愛、男女の深い愛と、今だけと分かっている愛が色々と錯綜する。せわしないが豊かな映画だと思う。

背景が気持ち悪い!いびつな書割みたいで、なに空間のつもりなんだろう。昔『ダークシティ』ってあったけど、あれがもっと人工的になった感じ。
真魚八重子

真魚八重子