このレビューはネタバレを含みます
原作未読です。147分
一人の青年の人生を追体験するような作品です。
街に住む11歳の少年が、山の村でひと夏を過ごすことになり、村にいた同じ年少年と仲良くなる。
山での生活は楽しく、街の生活に閉塞感を感じていた少年は、村と、村の友達の生活が自分の人生でいっとう大切なものになる。
一方、少年の父親も忙しい中、息子と登山をする日が大切なものだと感じている。そして、息子の親友の人生を心配し、彼を街の学校でしかるべき教育を受けさせたいと考える。
だが息子は反発する。
「村の少年を都会のあんな街へ連れて行きたくないと」
親は、良かれと思っての行動なのですが、村の少年の実の親に阻まれ、結局その話は無かったことになる。
そして同時に、少年ふたりは引き離されてしまい……という話。
ひとりの少年の30年~40年あまりを追体験するような話ですので、あらすじ全部は言えないですが、この冒頭の経験が、のちの人生全てを物語っているようでした。
「たき火、美しい山々、そしてお前。一生それで満足だ」
という台詞。
主人公は、村の少年と出会ってから、一貫してこの気持ちを抱き続けているのですが、まわりや状況がそれを許してくれない。
あれほど焦がれた山も応えてくれない。
それでも人生は続いていく……
そんな話です。