味噌のカツオ

プアン/友だちと呼ばせての味噌のカツオのレビュー・感想・評価

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)
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ひと昔前なら、熱いドラマを描きつつ、実は主人公が病に冒されていた…というのはよくありましたが。
今作はメインキャストが余命宣告を受けている状況からのスタートで。

主人公ボスの元に、かつての“友”であるウードからそんな連絡が入り。
「最後の頼みを聞いてほしい」として、元恋人たち3人それぞれに、何がしかを返していこうという展開。

ですが後半、ある場面から“カチャッ”と趣を変えて、まさに もう一つの物語へと入っていくわけなんですが。

なんというか、愛、嫉妬、単純に言葉では表しにくい事情というものがわかっていくと…

バカだなぁと思わされたり。そりゃないよとも感じたり。
でも こっちの立場なら、そうしたくもなるかと。
正直もどかしいところはあったよね。

前半は元カノに、明確に何かを返すストーリーだったけど。
後半も 形は変えながらも似たような趣旨であるのがね。

そんなこんなで登場人物はシンプルだけど、ストーリーとしては安易ではなく、それでいて心に沁みるものになっていて。
さすがやな~と思ったわけですが。


そんなドラマを下支えするカセットテープ、ラジオ、音楽、そしてカクテルなど、アイテムの使い方が粋だったり。
そして映像が独特ですよね。

映すものや映し方ひとつで、オシャレだったり、ユーモアだったり、いろんなシチュエーションを表現していて。
そうした見せ方の妙で、全編が全く飽きない、油断ならない映像になっているので。ホントに素晴らしかった。

これらはプーンピリヤ監督のセンスということになるのかな。
ホント、次回作にも期待しまくりです。
味噌のカツオ

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