わたくし自身 初代タイガーマスクの頃からのプロレスファンなので、モデルとなっているエリック家のエピソードは一通りわかっているうえでの鑑賞。
そもそも監督もプロレスファンとのことで。映画は“ある程度”史実に忠実に描かれてはいます。
間違いなく前半は、一家が結束を固めて、キャリアをアップさせていくサクセスストーリーであるんだけど。
ケビンの結婚エピソードに続く デビッドの日本で急死というポイントからは、様々な要素がガラガラと音を立てて崩れていく展開。
当時のWCCWを(一般社会で言うところの)家族経営で取り仕切ることの良し悪し。いろいろあったと思いますが。
父は父親である以上に大プロモーターであって。兄弟である選手を商品として扱ってくるという。
作中「問題は兄弟同士で解決しろ」というセリフが度々ありましたが。ケビンは家族とか兄妹の存在を第一に考えていたけど、父が子供たちにそういうスタンスを取ることはほとんどなかったんじゃないかな。
だからといって「呪われた一家」の元凶が、全て父親の存在によるものなのかとは言いにくかったりもして。
だからこそ、このようなカタチで語られるものなのかもしれませんが。
というところで。この映画が“ある程度”史実に基づいているということに関して。
実際のフォン・エリック一家には、マイクの下には六男のクリスという存在がありました。彼も若くして、拳銃で自殺をしていまして。
もしかしたら、拳銃という要素がケリーと被ってしまうので、この映画の中では割愛されてしまったのかな。
そういう意味ではクリスが気の毒にも思えますが。
別の視点で考えると、現実はこの映画以上の悲しみが存在しているということにもなるんだよね。
最後にファン目線としては、ブレイク前と思しきブルーザー・ブロディ。ファビュラス・フリーバース。そしてハーリー・レイスにリック・フレアーと。
往年の「世界のプロレス」などで見てた、あのWCCWのリングが再現されていたのは ちょっと面白かったですね。
逆にちょっと気になったのは、ケリーがちっちゃいってトコかな(苦笑)
あとモーラ・ティアニー演じるママが、なんとなく倍賞美津子さんっぽく見えました。