のほほんさん

グリーンバレットののほほんさんのレビュー・感想・評価

グリーンバレット(2022年製作の映画)
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あの国岡さんの新作。
国岡さんが若い女の子達の殺しのインストラクターになる、という人を食ったお話(笑)


殺し屋協会ってものがあって就職先として殺し屋という選択肢があるという世界。
夢を熱く語る胡散臭い起業家に集められた女の子達は、まあ方向性はそれぞれなのだがそのノリはおじさんにはまあまあキツい(笑)


いつも思うのだが、阪元監督の作品の登場人物の、あーこういう奴いる!なキャラ達のリアルさはいつも面白い。
本作で言うと女の子達を始め起業家の人もそうだし、今回から撮影に加わった大卒の似非インテリの理屈っぽさとか、いちいち笑える。
基本的にどいつも近くにいて欲しくない人達なんだけど(笑)
なんか変な誇張もなく自然に出て来られるので絶妙に楽しく見てしまうのだ。


そもそも(1人を除き)やる気が感じられない女の子達ながら、そしてそのキャラの噛み合わなさがあるのに、野良の殺し屋集団の襲撃を受けるクライマックスの時には、いつの間にか皆可愛らしくて愛すべき存在になってた。
いやホント、途中まで誰にも共感出来なかったんだけど、それが嘘のように。


それぞれがちょっと普通ではいられなくて、林間学校とか体験出来なかった子たち。
そんなんだけどこの合宿がいつしか彼女達の楽しい思い出になってる。
なんじゃそりゃな展開ばかりなのに、その辺が妙にリアルで。


結果、なんと国岡さんが脇にまわる(笑)
冒頭とクライマックスで強敵を相手に流石のアクションを魅せてくれるのだけど、林間学校の青春っぽい喜びは彼には遂に訪れないのだ


荒唐無稽なのに大袈裟ではなく、ふざけた感じなのに実は要所要所でさりげなく伏線が回収されていて、本当に良く出来た脚本だよなあ。
アクションが素晴らしくて見どころなのは言うまでもないのだけど、実は脚本の素晴らしさがまず第一なんじゃなかろうか。
出番は多くないながらも絶妙な登場をする板尾さんもたまらない。


素敵な笑顔が弾ける恐らくオフショットがエンディングで流れ、そーいやこの子たちはアイドルだとチラシに書いてあったな、ということを思い出す。
エンドロールで主題歌を歌うグループの名前を見て、女の子の中の1人が劇中で宣伝を密かにしてたことが判明し、再度笑った