美しい集落・霞門村（かもんむら）に暮らす片山優は、村の伝統として受け継がれてきた神秘的な能に魅せられ、能教室に通うほどになっていた。
しかし、村にゴミの最終処分場が建設されることになり、その建設をめぐるある事件によって、優の人生は大きく狂っていく。母親が抱えた借金の返済のため処理施設で働くことになった優は、仲間内からいじめの標的となり、孤独に耐えながら希望のない毎日を送る。
そんな片山の日常が、幼なじみの美咲が東京から戻ったことをきっかけに大きく動き出す。
いじめられっ子で超陰な絶望男役を横浜流星が演じているのだが、ボサ髪ヒゲもじゃ汚らしい服で救いようのない役なのにどこからどう見てもイケメンなので作り物感ありまくり。
でも見終わった後は、そんな横浜流星にというか救いようのなかった優に終わりがきたことに拍手を贈りました。
これでこの陰湿な村ともおさらばだ。
ここ最近のドラマなどで「村」とつくと、閉鎖的で遅れてておかしい人間たちが支配している何もかもおかしい場所、という概念が基盤になっていて惜しくも今作もこの基盤に乗っかっているのだが、不気味なというよりかは昔からの人間の悪質なやり方が村を守っているという見苦しいほど勘違いな考えがまかり通っている村なのだった。まあ想像通りの進み方に、能が絡んでいるといった予告で見るよりも全然不気味じゃないし、村をぎゅうじっている人間が腐っている話です。
おかしいやつが死んでそれこそ正義。
間違ってない。けれどもそれが犯罪になってしまう。だから死ぬしかないのだ。
結局みんな死を選び、残されたものは孤独なるのみ。それこそ本当の孤独。救いようのない絶望。そんなこんなな話。
優も結局お父さんになっちゃったね。
この村ではこうなるしかないのよ。
それが嫌なら村から出て行けばいいのに。
てか優も出て行って知らない土地で美咲と暮らしたらそれこそ本当の幸せなのに、なんでこの村で上流階級の上のほうにいってなりたくなかった側の人間に加担しないといけなかったの？
それだったらストーリーとして面白くないから？エンターテイメントじゃない？
優にとっての本当の幸せを味わって欲しかったよ。こういう終わりじゃなくてさ。
でもな、この映画はそんな腐った人間がおぞましくおそろしいことを伝えたいんじゃなくて、村というコミュニティの中で人間たちが同調圧力になっていることが一番怖いことなんだよ。
みんな同じ方向向いてみんな同じような顔してる。悪いことがあっても揉み消したり無かったことにする。それが蔓延していく。この映画では村だったけど、学校や会社など私たちの身近なところにも殺しはないけど、こういうやり方って意外と多いんじゃないかな？日本あるある。
あのばあさんの立ち位置って何なん？
喋れたの？
