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Nice Time(原題)のちぇりのレビュー・感想・評価

Nice Time(原題)(1957年製作の映画)
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イギリスの「フリー・シネマ(自由な映画)」から生まれたショートフィルム。フリー・シネマは、それまでのイギリスのドキュメンタリー映画における、客観性を装う見せかけの口実を一切拒絶し、社会に「個人」として参加することを重視した。映画は「自由に」、個人的で非商業的な考察に焦点を当てるべき芸術だと考えられたのである。クロード・ゴレッタ、アラン・タネールはフランスの前衛的映画作家ジャン・ヴィゴのエッセイ『社会的な映画を目指して』に感化され、現実を記録するフィルムとして「ナイス・タイム」を撮影した。
土曜の夜のピカデリー・サーカスの情景を25夜に渡って撮影、編集によって1つにまとめた作品である。作中に登場する多くの場面はほとんど隠し撮りのようなものであり、イギリスの繁華街の夜を楽しむ人々の様子を極めて自然に映し出す。早い時間帯の家族連れや恋人たちで賑わう繁華街の様子から、深夜のディープな様子まで、イギリスの25夜をまるで1夜のように描く。
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