MARUKO

ファンタスティック・プラネットのMARUKOのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

と、そんな歴史がありました。

ヤバすぎて迷走。開始1分で置いてかれました笑。
でも食らいつきました。
発想がほんとに天才。
アダムとイヴのそのまた昔の話ですか?っていうぶっ飛び具合笑。
ただそれでいてずっと図星をつかれてるようなような感覚。

マトリョーシカ状態。
たぶんあえて同じサイズ感(蟻サイズ)で両者を描いたシーンがあった。そのシーンを観た瞬間、それまで作品の中で人間を俯瞰的に見る体験をしていたが、その体験を覆う別の次元のさらに大きな俯瞰(一回り大きなマトリョーシカ)が生まれた。
そしてそれらを見る最終的な俯瞰(一番外側のマトリョーシカ)が、この作品を見ている我々であり、もしかしたら遥か空の彼方からそれを見る別の俯瞰(完成したマトリョーシカを覆う)が存在してるのかも知れない。

教科書の字面を追う勉強は、その背景を想像するのに限界がある。
それが体験を伴う歴史だったらどうだろうか。
何年か後にきっとコロナの文字が教科書に載る。今の我々はこのたった3文字で嫌悪感すら抱く。
それがスペイン風邪だとそんなに思わない。体験してないから。
人類の歴史は争いと支配の歴史。
映画をもってこの作品を媒介として、戦いの中で体験させられる。かつての厳しさ怒り悲しみ。

ラストシーン、突然外に放り出されて客観的になる。
(ピロピロピロピロ〜♪)字面の勉強、戦争と平和。へえそんなことがあったのね。定期テストで2点分。
そしてまた外に放り出され、この世界は字面に落とし込まれる。
(ピロピロピロピロ〜♪)へえそんなことがあったのね。
(ピロピロピロピロ〜♪)
………
どんどん膨れるマトリョーシカ。

視点。
モノの見方が変わるだけで、こんなにも世界が違って見える。価値観が変化していく。
この数十分でそれを体験できた不思議。
思想がぶっ飛びすぎて、想像がぶっ飛ぶ。
ここまでで自分が書いたことがこの作品の本質とは思えないけど、それだけ無限の価値観を創造する作品。

オモシロイ
MARUKO

MARUKO