こなつ

白いブランケットのこなつのレビュー・感想・評価

白いブランケット(2022年製作の映画)
4.0
Filmarksのレビューで知って鑑賞。決して明るい作品ではないが、最近観たショートストーリーの中では群を抜いて印象深いものとなった。

フィンランドの映画は、何となく心地良い気持ちにさせてくれるものが多いが、このショートストーリーは、たった15分の中で日常の悲惨な現実を見せ付けられた。

島暮らしの10歳のマルヤが、幼い弟のために街までミルクを買いに行く。一面真っ白な雪、人影のない山をスキーを履いて街まで少女が1人で行く姿だけでもその健気さに心揺れるのに、帰り道想像もしないような危険が待っていた。母が持たせた白いブランケットの意味がわかった時の衝撃、じっと耐えるマルヤの表情に胸が詰まる。

お店の女性の優しい対応、マルヤにとって宝物の髪飾り、、遠くに上がった火の手にマルヤは何を思っているのだろう。

度々勢力争いの戦場となっていたフィンランドという国の歴史。国境近い島で慎ましく暮らしている人々を襲う悲劇。そんな事柄が心をよぎる。幼い子にはあまりに過酷な日常に、マルヤの歌声が耳から離れなかった。

*さりさりさん、有難うございました😊
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