ともなり

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリームのともなりのレビュー・感想・評価

3.5
IMAXで鑑賞。
改めてロックとIMAXの相性はとても良いと感じる。下手なホールやライブハウスより音響が良い。
本作はデヴィッド・ボウイの膨大なインタビュー音声から抜粋したボウイ語録の色合いが強く、またその言葉が哲学的で難しく、一回観ただけでは理解するのが難しい。正直、ボウイファンでなければなかなか楽しめない内容だろう。
個人的にも、もっとライブ映像やスタジオでの制作風景に焦点を絞って欲しかった。音が良かっただけに。

デビュー〜グラムロック時代〜アメリカ〜西ドイツ〜活動拠点を変えながら目まぐるしく変化を続けるボウイは、80年代初頭に万人受けするポップソングと巨大ショービジネスへと辿り着く。それまでの前衛アーティストとしてのボウイを支持していたファンからは堕落してしまったと批判されるが、ボウイの言葉からはやっと飾らない素顔の自分を出せることができた安堵感が漂う。

話は映画から逸れるが、実は僕がボウイのアルバムを初めて買ったのがこの頃(レッツ・ダンス)で、アナログからCDへと変遷していく時期だった為、ボウイの過去の作品はアナログ盤は廃盤となりCDでの再発もされないため入手困難となっていた。(他にも入手困難なアルバムは沢山あった)
過去作品が順次CD化された時に買い揃えていったのだが、ボウイの新作にはなぜか触手が伸びなかった。つまり、やはり僕にとってのデヴィッド・ボウイもレッツ・ダンス以前なのだ。
この映画もレッツ・ダンス以降は一気に遺作まで飛ぶ印象だが、商業的成功を収めた時期以降が評価されないのはアーティストにとってどうなんだろう?少なくともボウイは一人の人間としては充実しているように見えた。
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