ユーライ

カラオケ行こ!のユーライのレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.8
最新作『ファミレス行こ!』を読んで「やっぱり和山先生は本質的にBLの人なんだなぁ」と思ったが、実写にすると都合の悪い部分がボロボロ出て来るのは想像に難くない。というのは全くの杞憂で、漫画実写化として百点満点をお出しされたので正直驚いた。BL&ヤクザ・ファンタジーが持つ臭みを可能な限り消しながら作家性も足して換骨奪胎するプロの仕事。ヤクザの皆さんを筆頭にモブの面々が個性的で楽しく、こういった「寄り道」の奥行きは間違いなく山下敦弘。聡実が激昂する原因を合唱祭に向けた不安ではなく、女子との関係を冷やかされたことに変更。狂児への矢印を生っぽくしてLIKEよりLOVEに、同性愛のニュアンスを強める大胆な改変だ。ここを曖昧にして逃げずに踏み込んでみせたのが偉過ぎる。この座組で『ぼざろ』実写映画化してくれないですかね。このスタッフならいい具合に要素を置換出来るはず。それ『リンダ リンダ リンダ』のセルフリメイクじゃねぇかと言われても知らねぇよ、俺は観たいんだよということで、1つよろぴくお願いします。
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