ユーライ

辰巳のユーライのレビュー・感想・評価

辰巳(2023年製作の映画)
2.5
意欲こそは買うが、近年盛んに作られているこの手の和製低予算ノワールで傑作に出会ったためしが無い。逆説的に韓国映画がどれだけ「出来てるか」の証明になっちゃってるよ。悪い意味で世界観が漫画、無国籍に飛べずただ幼稚にしかなってないのはどうなんだと思うし、何より自主制作で製作委員会の横槍が無いにも関わらず、愁嘆場でダラダラとウェットに泣かせるのはどういう魂胆なの。もっと全然突き放していいんですよ。ハードボイルドってそういうことじゃんよ。二人組のやべー追手は『GONIN』の京屋と一馬、息絶えた横顔はモッくん、解放された魂のモチーフとして鳥を映すのは『夜がまた来る』だよねっていう引用はいいんだけど、改めて石井隆がいかに現代日本でノワールをやる戦略を立てていたか、考えさせられましたよね。
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