きらきら武士

カラオケ行こ!のきらきら武士のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
4.0
初の、娘と二人で映画館で映画鑑賞。
生きてて良かった。
しかも名作。

内容もマンガのストーリーや雰囲気にならって、真面目に作られていてとても良かった。ちゃんと腕も分別もある大人達が、誠実に、謹んで落ち着いた映画作品として仕上げた。そんな感じ。

令和なのに全体に漂う昭和感。大人達である観客のノスタルジーを優しくくすぐっていた。


(以下、ネタバレ含む)

優しいゆっくり目の大阪弁の会話も耳に心地良く、テレビや吉本芸人でブーストされまくった大阪弁と一線を画している所に作り手の作品理解と節度を感じて好ましく思った。
狂児と聡実君のとぼけた会話もテンション抑えめ。聡実君、アドバイスするけど全然お手本見せてくれない。実に抑制的。
だからこそ最後の爆発が一層活きた。
悪いけど本家XJapanの紅で一度も泣いたことは無いが、映画の手法を駆使した本作では最大瞬間風速をマーク。瞳から涙がこぼれた。
娘の横で感情揺さぶられてる父。恥ずかしい。けど、それもいいじゃないか。

こういうのをバイブスって言うのだろうか。違うか。振動、ノリ、雰囲気、感情、エモさ。何にしてもこれは映画の勝利でしょ。名シーンですよ。

あと、部活や中学校での様子が追加されていて、何ともノスタルジックで良かった。和田〜ぁ、と面倒見のいい副部長女子。あ、娘と同学年設定か。少し大人びて見える。高校生が相当な気もするが、細かいことはどうでもいい。こんな子、いたような気がする。自分の体験と重ね合わせてしまう。

芳根京子演じる屈託のない明るいモモちゃん先生。大阪弁。彼女がまた凄まじい可愛さで危険なぐらい輝いていた。映画オリジナルキャラの彼女が聡実君にお節介して絡んで来るのではないかと少し心配したが、意外に雑にソッとしておいてくれて作品の均衡は保たれた。ギリギリ、ノスタルジーの域というか、こんな先生おるよね〜、ぐらいの所で止まってくれて良かった。なお、彼女の「歌は愛やで、愛」(ニッコリ)が、最後の歌シーンと二人のBL的関係(ただしプラトニックな師弟愛)を控えめに暗示している。
焼き鮭の皮を父にあげる母は、まあ、一応「愛」なのか?(笑)いい感じに焼けた皮のアップが妙に可笑しかった。こういう控えめな表現が実にいいねぇ。

大満足。記念すべき映画鑑賞となった。
お父さん、諸々嬉しくて心に沁みた作品でしたよ。涙がポロリこぼれましたよ。
また何かいい作品を観に行こう。

#2024 #7
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