きらきら武士

DUNE/デューン 砂の惑星のきらきら武士のレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.9
part2が面白そうなので遡って1から観た。
次男と一緒にU-NEXTで鑑賞。お酒とともに。

有名な原作は未読。
スターウォーズや宮崎駿のナウシカなどの元ネタ、
大きな影響を与えた、
壮大なSF叙事詩、
という話ぐらいしか知らない。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督
ああ、柿の種の。
『メッセージ』を撮った監督ですか。
話は忘れたが、 落ち着いたSF映画で好印象だった記憶。

DUNEの感想。
これも落ち着いたSF。いや、まさにスペース叙事詩。
ローマの皇帝や貴族が家ごとSF世界に転生。

スペースオペラとは言うまい。
オペラはもっとノリがこう、なんというかショーっぽい所がある。
こっちは「叙事詩」。格調高い。
そんなことはどうでもいいか。

まず一番肝心の、SF設定が凝ってて面白い。
きっと半分ほども理解できていないが、一応すんなり飲み込めた。
受け止めることができた。

砂の世界の映像も素晴らしい。
原作がスターウォーズ帝国の逆襲にいかに影響を与えたか、
そして、今度はそのスターウォーズ帝国の逆襲に本作が影響を受け、敬意を払っているか一目瞭。パクリ警察さんには大ご馳走だ。

登場人物たちがベタでいい。わかりやすい。
主人公のティモシー・シャラメ? が、超絶男前で超主人公。
え?フランスでも大人気?(次男情報)

フランス語読みでは「ティモテ」。可愛い。
そんなシャンプーが昔あったような。
使ったことはない。

ベネ・ゲセリット
文字通り神秘のヴェールをまとった何やらおっかない、暗黒女子たち?
深い設定を感じる。

全体に、砂漠の民、イスラム、精神世界への憧れが強くあるようだ。
そういうのもいい。
東洋思想に憧れたジョージ・ルーカス(仏教徒)を思い出す。

メカのデザインやSFガジェットが、ちゃんと古き良き昔のSFをひきずってていい。
トンボ飛行機は夢とロマンが詰まってる。
羽ばたいて飛ぶ!!
宮崎駿が借用したくなるのもわかる。

一方、突っ込みたくなる所もあった。

なぜにそこまで剣の戦いが主流なのか、
砂虫は何を食ったらそんなにデカくなれるのか、
食いもんのカロリーと活動に消費するカロリーが釣り合ってないやん、
結局「香料」て何?どんだけ高価なん?
あの、お薬の使いすぎは体に良くないと思います(人差し指挙手)、
などなど、しょうもないこと含めて。

原作を読めばその辺の説明はちゃんと書いてあるのだろう。

しかし、色々疑問はありつつも、
「そういう世界なんや」
と、目をつぶるのにそれほど支障は感じなかった。
初心者にも優しい世界。

何をおいても、ミクロ~マクロの世界全体の統一感が素晴らしい。
これこれ、大人が楽しめるこういうSF映画、観たかった!
今回は映画化大成功、ですか。
なお、デヴィッド・リンチ、ホドロフスキーのDUNEは観ていない。

ストーリー的には「貴種流離譚」のまさに入口部分で、終盤はドラマ的に少し眠い感じもした(酒の飲みすぎもある)。
次、観るときはシラフで。香料抜きで。

あまり映画の感想を言わない次男も珍しく鑑賞後に「デザインが独特で面白かった」など感想を言っていた。

part2を観に行くのが楽しみになった。

#2024 #19
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