keecoliquorice

カラオケ行こ!のkeecoliquoriceのネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

コーラス部部長、聡実くん、いいなあ。

歌が上手くなりたいヤクザの狂児に、ぽそっとツッコむ言葉がいちいち効いている。頭いい子なんだろなと思わせる。聡実くんは歌が大好きだ。

やりたいことはある。だけど何だか今はいい具合の居場所がない。悪くはないけど良くもない。そのもやもやした感じが、登場人物誰にもあるように見えた。

〝映画観る部〟の部室で、ただ1人の部員と、幽霊部員として許されている聡実くんは古いモノクロの洋画を観る。とりとめなく、さりげなく、日常の謎を語り合いながら。巻き戻し機能が壊れてる古いVHSデッキ。

(長い髪をマニキュアした指でかきあげながらマウント取り合う、華やかな学食には居場所がなく、階段下の写真部の暗室にちんまり集っていた日々を思い出すのであった。)

そんな中にふと、誰にも譲れない邪魔できない強固なこと、場所は存在すると聡実くんは気づく。おかずの焼き鮭で(笑)。

狂児が時々ほんとにヤクザなので、中学生の聡実くんが、カラオケだけとはいえ一緒に居るのはやはり怖い。ある意味ファンタジーと思いながら見ていたが、卒業式になり聡実くんが「LINEが繋がらなくなった」と言ってて、狂児、分別あると思いました。そして優しく微笑みそれを受け入れてる聡実くん。それぞれ腑に落ちるところへ行けるかな、と、エンドロール見てたら、前の席のおじさまは立ってシアターを出ていった。
あーぁ、まだ続きあったよん。
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