しろくま君

カラオケ行こ!のしろくま君のネタバレレビュー・内容・結末

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも良質な恋愛映画すぎてびっくりした。これを友情と言ってる人はどういうつもりなんだろう。こんなにも痛々しくて嬉しい恋なのに。普通に腐女子が騒いでるだけの映画だと思ったら公式からこんなんなんだと驚く。

聡実くんが終始思春期で可愛すぎる。ヤクザは普通に怖いけど狂児には親しみ感じちゃうし、「家ついたら連絡して」ってスパダリされたらなんだかんだ言いながら家着きましたってLINEしちゃうし、他のヤクザに囲まれたら狂児の腕にしがみついちゃうし、あんなに狂児の「カラオケ行こ」を嫌がってたくせに「もう怖い思いはしたないけど、狂児さんなら練習付き合ってもええよ、カラオケ行こ」って誘った時可愛すぎ。もう恋してるやん。狂児のかずこへの気持ちに複雑な思いしながら、実は大したことじゃないとわかった時の半笑い可愛すぎるし、狂児にヤクザから助けて貰ってビデオデッキ買ってもらって甘いコーヒー選ぶ時なんてもう姫やん。そのあともう大好き過ぎておとんにもらったお守りあげるの楽しみにしてたのに部活の修羅場からかわれて、ガーッとなっちゃってキレ散らかしてる時、狂児が自分のこと全然そういう意味で興味ないって恥ずかしくて悔しくてキレ散らかすの可愛いし、でも狂児は大人だから直ぐに絆されちゃって可愛い。LINEすぐ見ちゃうよね好きだから。狂児死んだと思って声変わりで高い声出すの苦しいのに紅泣きながら歌ってるのこっちまで泣いた。あの走馬灯みたいな狂児との思い出、狂児がいい男に描かれすぎててかっこよ。

狂児はずっといい男すぎてすご。あんな聡実くんキレ散らかしてるのに、慌てず「元気くれるんちゃうの」とか言っちゃうのずるいし、距離感えっちすぎだろ……。でも狂児は聡実くんのことそういう目で見てないよな、ブロマンスだよなと思ってたら最後の刺青で「両思い!中学生に手を出さない素敵な大人!」ってなった。もう後半ほぼ王子様じゃん。ナチュラルで、素直で、ヒモ男出身はやっぱたらしです。あんなん、恋愛したことない人がやられたら落ちます。でも狂児も聡実くんの優しさ、なんだかんだ言って人をほっとけないところ、狂児にどんどん気を許していってるところが可愛かったんだろうな。だってそうじゃなきゃ、嫌いで嫌いでたまらない!見たくもない!って嘘つく時に聡実くんの名前言わないもんね。1番好きって証明するのに1番美しい方法。

組長絵は下手なのに字はきれいなのめっちゃじわる。

和田くんから見る聡実くんは、ちゃんと憧れで大好きな先輩で、和田くんが必死になるのも分かっちゃう。

最初、聡実くんさすがに棒読みすぎ……。って思ったけど、最後紅歌ってる時のあの苦しそうな歌唱、本当にうますぎて涙が出た。齋藤潤くんのこれからに期待。あと普通に見た目美しすぎ。

綾野剛は安定のうまさ。かっこいいし情けないしいい男。

芳根京子が「うわ!こういうだるい女教師いるわ!」っていう演技うますぎて笑った。

日本でこんなナチュラルに当たり前に男同士の恋愛映画を作れるんだ……。好きという言葉を使わずに……。と感動した。ドラン以外でこんなもの作れるとは思ってなかった。邦画も捨てたもんじゃない。

正直、合唱結局行かないなら声変わり悩みシーンそこまで重要じゃないだろとは思った。

あとリトグリで冷めた。本家聞きたかった。合唱とコラボしたいのはわかるけど感動冷める。劇中歌は全部良い。

ぜひ齋藤潤くんが成長したら、ファミレス行こ!もやって欲しい。人生で出会えるか分からない夢のような人に天使に出逢えたって言われたら、狂わされちゃうよね。

人生の、一瞬の、あの完璧なソプラノを、3年費やした合唱ではなく、たった数ヶ月会っただけのヤクザに捧げるのあまりにも愛。