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みんな生きている ~二つ目の誕生日~のmakoのレビュー・感想・評価

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《骨髄移植経験者が演じる「いのち」の物語》

企画・原案・主演: 樋口大悟。
シナリオは樋口氏の実体験をベースに作られ、当時からの友人もそのまま友人役として出演している。
脚本・監督: 両沢和幸。

主人公は、空手の講師をしながら、競技者としても全国大会を狙える実力者だった。
そんな彼がある日、稽古の最中に倒れて病院に運ばれると、白血病だと診断された。
まさか自分が白血病になるとは思いもしなかった。
そして助かる方法は骨髄移植しかないと告げられる。

本作は、白血病の青年・檜山大介(樋口大悟)と骨髄提供を依頼された女性・桜井美智子(松本若菜)、双方の思いが描かれていました。

骨髄移植は血液を作る造血細胞を他人のものと入れ替える治療法だが、白血球の型が合わなければ移植はできない。
造血細胞を提供してくれるドナーがいなければ成立しない。

移植を受ける檜山の気持ち、骨髄提供する美智子の気持ち、どちらも共感できました。
そして美智子の夫(岡田浩暉)は当初反対でした。
骨髄採取は全身麻酔で行います。骨髄液は、骨盤を形成する大きな骨(腸骨)から注射器で採取されます。
全身麻酔で、妻の体への負担を考えると不安な気持ちになるのも分かります。
それでも美智子の「私が断ったら死んじゃうかも」という言葉が印象的でした。
誰かの命を自分の身になって考えれば、型が合うなら提供しようと。
相手の事を思い、行動することが、巡り巡って自分の身に起こるかもしれない。
世の中、助け合いで成り立っていると思います。
優しい気持ちになれました。

二つ目の誕生日とは、骨髄移植をした日の事。

本作は作品の出来(演技、演出)よりも、内容に意義のある作品だと思うのでスコアレスにしました。

フィル友ダースペーターさんのレビューで本作を知り、リクエストをしたら叶いました😊

樋口大悟氏のメッセージ。
今の僕が元気でいられるのは、僕に骨髄を提供してくれたドナーの方のお陰です。その方への感謝の気持ちと、今も闘病中の方たちに「こんなに元気になれるんだよ」という励ましの気持ちを込めて自ら演じました。


観客 1階席 10人くらい、2階席 ?
劇場鑑賞数 #69
2023 #75
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