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イコライザー THE FINALのtakumiのレビュー・感想・評価

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.6
「仕事」中の思わぬ負傷でイタリアの田舎町に流れ着いたロバート・マッコール。人々の優しさに触れ、安住の地を見つけたかと思われた矢先、イタリアンマフィアの魔の手が迫る…

正義の殺人鬼、ロバート・マッコールが大暴れするイコライザーシリーズ最新作!大満足!

イタリアの美しい田舎町に舞台を変え、マッコールさんが心の平穏を見出す(過程で悪人が大量に死ぬ)かなりこぢんまりとしたストーリー。悪人に虐げられた人を助ける大筋は同じですが、悪行を重ねる極道連中に対して「やめろ」ではなく「他所でやれ」と言うのが印象的。(イコライザービジョンシーンが無く、いつものテーマ曲がかからないのにも少し驚きました。)

アクションシーンはかなり少なめで短いですが、残虐さと悪人の死に様をじっくり眺めるサイコっぷりは大幅増量!「お前らに明日は無い!」とばかりに暗闇に紛れて悪人を惨殺する姿はホラー映画殺人鬼そのもの。予告編でも流れた9秒で四人倒すシーンは抜群のキレ味で瞬き厳禁です。しかもアクションの演出してるのはミッションインポッシブル7でトムとトイレで戦った謎の強すぎアジア人を演じた人!

そりゃあ斬新なDIY殺法とか強い敵とのタイマンが観たかったところはありますが、「見せない」アクション演出もまた美味でした。ジョン・ウィック4で直接的なアクションは散々観れるので、セットで観るのをオススメします。ジョン・ウィックとか最近のやたら長い(それはそれで良いんですが)映画たちとは正反対に109分というギュッと凝縮されたコンパクトな作りなのも魅力的。

冒頭の9秒アクションの後はしばらく穏やかなイタリアでの暮らしとイタリア極道の暴虐ぶりが丁寧に描かれます。地味ではありますが、映像が美しくてうっとりするし、後半の展開に向けての「溜め」としても十二分に機能しててとても良かった。マッコールさんと市井の人々との交流シーン、やっぱりこのシリーズの最大の見どころの一つですよね。(警察官のジオの奥さま、美人すぎる…)妻との死別の悲しみを乗り越えて遂に安住の地を見つけたマッコールさん、お疲れ様!

そして今作ではマイ・ボディガード以来20年ぶりにダコタ・ファニングと共演。ラストで控えめに明かされる彼女との関係もグッと来ます。若者を導くことを忘れないマッコールさん、好き。

イタリア極道共が悪魔の所業を重ねる度に、「やめときなよ」と思ってしまうくらいにマッコールさんの正義の殺人鬼ぶりが光る、大満足の完結編でした。

完結と言わずにもっと観たいし、デンゼル先生の息子のジョン・デヴィッド・ワシントン主演で若き日のマッコールさんを描く企画、やって!!!!

追記
パンフレットは過去作の復習も含めたマッコールさん紹介やレビュー、インタビューなど結構良かったです。
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