失敗知らずの冷酷の殺し屋は、仕事中のミスによって追われる身となり、雇い主との戦いに身を投じる…
デヴィッド・フィンチャー×マイケル・ファスベンダーの殺し屋サスペンス。淡々としてるけどしょーもないミスもする、絶妙なバランスのかなり好みのタイプでした。
殺し屋の殺しまでのプロセスを主人公の独白と共に詳細にかつカッコいい画で淡々と見せてくる、殺し屋お仕事ムービーでした。やけに几帳面で周到な計画に沿って行動する殺しのプロといえばジェイソン・ステイサムあたりがいつも演じてそうな役回りですが、マイケル・ファスベンダーが演じることで繊細で尚且つ人間臭さが加わっていい味わいです。
マクドナルドでご飯買って(変な食い方!笑)やFedEx、WeworkにAmazonで買い物まで(鍵複製ツール検索したら本当に売っててびっくり)するリアリティで、ホンモノの殺し屋ってこんな感じなのかなと思わずにはいられない。主人公も散々仕事哲学やらを独白し続けるのも、暇つぶしと自分を落ち着かせるためだと思うと人間臭くて好き。油断したわけでもなくただミスったり、犬思ったよりデカいなとかちょこちょこ笑わせにくるのがずるいです。
途中で長めの格闘アクションが一つだけありますが、アクションらしいアクションはそれ一つだけ。起伏のある話ではないけどそれでも飽きさせないのはさすがは完璧主義の監督のなせるワザでしょうか。ちなみに格闘シーンはかなり良かったですが、巨漢とのファイトスタイルの違いがもう少し明確にあるとなお良かったですかね…
几帳面な殺しのプロが出てくる映画は大好きなので大満足でしたが、アクションアクションを期待すると肩透かしを食らいそうなちょっと不思議な映画でした。
イヤーな終わり方とか憂鬱な雰囲気の映画が苦手なので、監督が監督ということで警戒してたんですが、意外とそんなことなくてホッとしました。