takumi

アクアマン/失われた王国のtakumiのレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.9
海底王国アトランティスの王アーサーは、封印された邪悪な王国の力を求める仇敵ブラックマンタの陰謀を阻止すべく、投獄した弟と手を組む…

アクアマン二作目にして、DCエクステンデッドユニバース最終作(涙)、普通に面白かったです!が…

ユニバースの方向転換のせいで何回も再撮影した挙句の果てにユニバースそのものが打ち切られ、なおかつヒロインのスキャンダルもありで散々な目にあったにも関わらず、お蔵入りにならずに公開に漕ぎ着けたのは、さすがジェームズ・ワン!

登場シーンが減らされてる感のあるメラに代わって、義弟オームとのバディものになった今作。ワイルドな兄とシュッとした弟(パトリック・ウィルソン50歳ってマジ!?)、それソーとロキじゃん!(MCUギャグまでツッコまれます)となりつつも、絶え間なく繰り出されるいい加減で愉快な掛け合いにはニッコリだし、陸海で繰り広げられる派手なアドベンチャーには退屈するヒマがありません。モモアマン、Born to be wildすぎるやろ!!!

ジュール・ヴェルヌっぽさ全開のジャングルアドベンチャーにジャバ・ザ・ハットのパチモンまで出てくるスター・ウォーズ感、タコ型ロボなどレトロ×ハイテクなメカニックに加えてモンスターホラー要素まで詰め込まれているあたり、監督のマルチな才能が感じられるのも良し。

一方で前作に比べて短めな上映時間や投げやりすぎる(物理)ラストバトルや邪悪海底王国との決着など、大人の事情でカットされたり変更を余儀なくされたシーンがたくさんあるのがミエミエなのはやっぱり残念なところ。前作のようなあっと驚くカメラワークで魅せるバラエティ豊かな格闘アクションが今作ではやや不発(そもそもアクション自体が前作より少なめ)。全体的なスケール感(とにかく敵も味方も物量が少ない)の縮小もそうですが、予算が効率的に使えなかったんだろう感も悲しい。

余計な口出しもなく初期の構想のままでいけばもっとスゴかったはず… でもヒーロー・ユニバースもの疲れが指摘されることが多いなか、結果としては単体で楽しめる構成になったところは不幸中の幸いかな。

そんなこんなで残念なところも多いけど普通には楽しいエンタメ大作です、ぜひとも劇場へ!

救急搬送されつつもなんとか完成させたワン監督には、アカデミーお疲れ!監督賞でもあげてほしい。そして願わくば、ディレクターズカット版とお蔵入りになった追加撮影シーンを公開して欲しい。ワーナーさん、最後のファンサービスだと思って頼むよ…

追記
パンフレットは用語やユニバース解説、コラムなど文量はそれなりで楽しめます。ただ、キャストインタビューが皆無、撮影のゴタゴタにはノータッチなどここにも大人の事情が見え隠れしてて少し寂しさを覚える出来でした。
takumi

takumi