takumi

極限境界線 救出までの18日間のtakumiのレビュー・感想・評価

3.8
アフガニスタンで実際に起こったタリバンによる韓国人23人誘拐事件をベースに、交渉に当たる外交官と現地の工作員を描くサスペンス

ファン・ジョンミン×ヒョンビンの強力タッグ、この手の韓国映画の安定の面白さで満足度高し!

アクションは少なめで交渉メインですが(原題はシンプルに『交渉』)、混沌とするアフガンの情勢や韓国政府内の様々な思惑も絡んだサスペンスフルな展開でハラハラしっぱなし。終始胃が痛くなる展開ですが、カン・ギヨン演じる小心者の小悪党通訳が提供する笑いにほっこり。肝心の最後の交渉がアッサリ気味でスッキリしないところはありますが、109分という短めの尺にエンタメとしてキッチリ収まっているのはさすがです。

ファン・ジョンミンが演じる外交官は、彼の普通のおじさん感(褒めてる)も相まって抜群のリアリティ。最後の交渉もそうですが、セリフだけで観客を引き込む力が凄いですね。組織の中で板挟みになりつつも、使命感と肝っ玉で頑張る公務員役、熱演でした

ヒョンビンはいつになくワイルドな風貌で色気振り撒いてて超眩しかったです。こういう野性味溢れる役、今後もお願いします。ついつい刈上げオールバックを真似したくなりました(やめとけ)。中盤にアクションの見せ場があるのはありがたかったですが、役どころとしては最終的な人質解放にはイマイチ貢献してなかったので(実話ベースなので仕方ないのかもしれないですが)タリバンとの直接交渉を取り付けるとか、そういう見せ場も欲しかったですね。

同時期に公開された『カンダハル 突破せよ』(地方在住なので今作の上映は約一ヶ月遅れでしたが…)と観比べても楽しいかもしれません。ぜひ!

続編があってもいいんだぜ…

追記
パンフレットは情報量はそこまで多くないものの、ストーリーや解説、レビューにインタビューと一通り揃っていて良かったです。ザラザラした紙質も、なんか砂漠っぽくて良し!
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