雨丘もびり

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界の雨丘もびりのレビュー・感想・評価

4.1
このくらい登場人物独自のドラマに舵切って突き進んだ方が、誰にでも通じる物語を目指して約分したペラいStoryより、よっぽど健全な作品になりません?
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『ラーヤと龍の王国』監督作。
ラーヤの方が共感できた私にとって、本作は正直オトコノコ向け~ッ!てカンジのアドベンチャー物にチューニングされてたから、さほど沁みなかったんだけど、なんかその割り切りが潔くて、観ていて気持ち良かったのね。
このドラマはあくまで、本作に登場する祖父イェーガー・父サーチャー・孫イーサンのズレと和解の物語として作られていたから、すっごく肉厚で活き活きしたドラマでした。先日観た『私ときどきレッサーパンダ』もそうだった。
このキャラたちだからこそ到達できたハッピーエンド。それが良いと思うの。
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そういう作品って、キャラ名が記憶に残るよね。
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誰にでも通じる作品を目指して、企画会議で出た要素をメモッた付箋を張り付けただけのプロットは、生きた人間のドラマとして感じられない。
だから、いま生きてる私たちの悩みや違和感をStoryに託せないし、他人の疑似体験ができない。そういうのばっかりになってしまったら、わたしは/あなたは何が不満なのか?実生活でも感じ取れない気がする。
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キャラクターに誠実に編まれた物語で、素晴らしかったです。
私のニガテなインディジョーンズそっくりのタイトルロゴにうひ~ってなったし、やっぱり私向きなお話しでは無かったけどw、それが良かった。