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マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説のfonske0114のレビュー・感想・評価

4.0
1960年代イギリス、「ブリティッシュ・イノベーション」「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれイギリスカルチャーが世界を圧巻した時代の中心人物、マリー・クワントのドキュメント作品。

本人のインタビューや関係者の証言を中心に、生い立ちやその影響力を非常にテンポ良く見やすく見せてくれる。

私自身はビートルズを始めとしたイギリスの音楽に興味があり、また渋谷でのマリー・クワント展に行っていたことからも気になっていた作品だった。


生い立ちから、デザイナーとしてのデビュー、ミニスカートなどを始めとした革新性だけでなく、そのビジネスモデルの裏側にあった夫や共同社長など非常にその時代がわかりやすい。

加えて、服装から下着、化粧品へと「自己表現としてのファッション」を突き詰めると必然として起こるアイデアは非常に理にかなっているように感じた。

そのため、クラシックスタイルやカーテンなどのデザインはやはりどこか蛇足的に感じ、その隆盛を目にしたようにも思う。

日本でのツイッギーブームなども知ってはいたが、後年の日本へのライセンス譲渡などその関わりの深さは知らなかったためとても驚いた。


私はイギリスの音楽カルチャーに強い興味を持っていたいため、やはりキンクス、フー、クラッシュなど音楽とファッションの関わりとその流行の移り変わり点と点が線になるようでとても面白かった(特に都市的なものから古着や民族衣装へと移行するヒッピーという流れ、そしてほぼ同じ時期、ビートルズ解散後にポール・マッカートニーがスコットランドにいたのは知っていたが、それも都市から田舎へ、という流れとは知らず驚いた)。

マリー・クワントはアイデアと行動力で突き進む人、というイメージがありとにかくかっこよく、また内気なところも知りとても魅力的で、ゴッホにとってのテオのように夫婦で支え合っていたところもとても見応えがあった。

60年代イギリスを描いた「さらば青春の光」「ラストナイトインソーホー」など今まで見た映画も思い出した。
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