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アメリカン・ヒストリーXのfonske0114のレビュー・感想・評価

アメリカン・ヒストリーX(1998年製作の映画)
4.0
アメリカにおける白人至上主義を題材に扱った社会派作品。

黒人側からの差別撤廃や権利の獲得を描いた作品は多いが、この作品は反対にその結果白人がどう思ったかを一つの目線で追っているように見える。


アファーマティブアクション(特定の人たちへの枠の設定)は格差是正への足掛かりとはなるものの、それによるしわ寄せを受ける人々がおり、不満を買う。

今作のテーマは人種に限らず性別やしょうがいなど現代にも通ずる部分が多い。日本でも居住外国人が増えその話題が増えてきていることから決して他人事ではない(実際に最近日本でも京大が受験で女子枠を設けることが話題になった)。

また、今日でも北米などでの銃乱射事件などが起き解決されているとは言い難く、ハードで見るのにパワーを使う作品ではあったが、一見に強く値する作品であったと思う。


構図としては中心に焦点を置き、クローズアップを多用することで感情移入が多く、見ていてとても体力を使った。

尚、今作を観るきっかけはエドワード・ノートンが出ていたからであるが、怒り、悲しみ、マニッシュ、ひ弱などガラッと変わった様々な表情を見せ、体格まで萎んで見えたのは改めてすごいと思った。
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