グラビティボルト

オカルトの森へようこそ THE MOVIEのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

3.9
主人公の撮った映画に似た体験をした女のインタビューをしにいったものの、どうやら彼女はカルトにかぶれてたようで・・・?
っていう筋書き、普通は女を信じるか?否か?で引っ張る所をもうワンカットのうちに怪異の発生、逃走!新キャラ登場!で息を尽く間がない。
映像に映った怪異の真偽を問う前に怪物が出現して、のっぴきならない状況に追い込まれるので、理屈に映画が絡み取られる事なくどんどん引き込まれた。

豪胆な展開がラストまで続き、他ではあまり観た事のないアクションを呼び込む。
終盤は人間vs怪異の構図が、
怪異を撃退する人間と怪異を崇める人間の対立構図に変化する訳だが、
撮影者(主人公)が人質に取られた場面での救出方法、投擲された刃物の迫力は尋常じゃなかったし、カメラに付けた刃物で人を殺す時のドアップとか、この展開じゃないとあり得ないショットだった。

あんだけバタバタした奇人変人の集まりの映画でも、自己犠牲的な善性を撮る時は一切カメラをブラさない、カットを割らない職業意識の高さも見事。
ホラー映画作家というより、
「漫画原作みたいな映画をとる職人」として完成した感がある。