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宮松と山下のmakoのレビュー・感想・評価

宮松と山下(2022年製作の映画)
3.7
《名もなき誰かを演じ、名もなき自分を演じる。》
◎74点

『あのこと』の次に鑑賞。

【あらすじ】
宮松は端役専門のエキストラ俳優。来る日も来る日も、名もなき登場人物を生真面目に演じ、斬られ、射られ、撃たれ、画面の端に消えていく。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。


端役専門のエキストラ俳優が主人公ということで、いろんな映画の撮影の裏側も観れて興味深かったです。
冒頭からエキストラとして殺される宮松。どこからエキストラでどこから現実なのか分からない演出も斬新でした。
いろんな殺され方があり、現実かと思ってたらいきなり殺されるので、あぁこれは役かと安堵したり。
宮松は過去の記憶を失っており、そんな宮松はエキストラ俳優でいろんな役を演じ殺されている。

記憶を失った理由、過去の出来事が徐々に明らかになる。
宮松がなぜエキストラ俳優になったのがなんとなく分かったし、切なかった。
過去の記憶をあえて思い出さないようにしていたのは痛みを思い出したくなかったからだろう。
記憶がないと言っていたが、本当はどうなのか。

自分の人生を生きなきゃと思う一方で、別の人生を生きたいと思う事もある。
宮松にとってエキストラ俳優は都合がよかったのかもしれない。
過去を忘れ刹那を生きる。
痛みを忘れるために。

途中ウトウトしたけど、なかなか良かったです。
宮松役の香川照之さん、上手かったです。


観客 1階席?、2階席 4人
劇場鑑賞 #7
2023 #7
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