テリーマザーファッカー虎

Pearl パールのテリーマザーファッカー虎のレビュー・感想・評価

Pearl パール(2022年製作の映画)
4.1
前作『X』はやりたいことも分かるし、実際うまくいってるのも分かるが、そこまでピッタリはまる映画ではなかったのですが、続編かつ前日譚である本作は傑作でした。

とにかくパールを演じるミア・ゴスが最初から最後まで素晴らしかった。
暗黒朝ドラと言わんばかりのオープニングから彼女の魅力が滲み出ていたし、鼻水を垂らしながら号泣する場面や、カカシとのセックスシーン、長回しによる心情を吐露していくあの場面。そして何と言ってもラストカットなど全編にミア・ゴスでしかなし得ない場面の連続で本当に良かった。
脚本とプロデューサーを兼任しているということもあり、作品への理解度が段違いなんだなとも思ったり。

前作の色情ババアがなんでああなったのかを説明する作品ではあるものの、メロドラマ的な要素も多く、本作を経て『X』を見るととんでもなく切ない感情になるというなかなか無い映画体験をさせられた感じでした。

1910年代を表現する映像と美術、音楽の素晴らしさは勿論のことながら、同じシリーズながら全くの別作品として作り上げてしまったチームの手腕は素晴らしかったです。