ヒノモト

真・事故物件パート2 全滅のヒノモトのレビュー・感想・評価

真・事故物件パート2 全滅(2022年製作の映画)
1.0
「真・事故物件 本当に怖い住民たち」の続編です。
前作から1年で続編が公開されることは、期待よりにも不安しかなかったですが、本当に同じ監督脚本による作品かと、見間違うほどテイストの違う作品になっていて、しかもそれが、とてつもなく、粗末な感じに見えてしまう部分が散見されていて、厳しい内容でした。

一番気になったのが、台詞に劇伴のボリュームが負けていたり、ボーカルつきの曲と台詞が混ざって、台詞が聞き取れないところがいくつかあって、それに気づけていないのが致命的に悪いです。

他に、前作はアパートが舞台だったので、部屋番号や住人の配置で、位置関係が即座に判別できたのですが、今作の舞台である一軒家では、部屋の位置関係が全く分からず、シーンをまたぐと距離関係の近さからくる怖さや、前触れなどが感じることができず、ドラマが機能していない場面が多かったです。

同様に、対決構造になる本作では、アングルやカットとカットのつなぎも位置関係が分かりにくく、緊迫感やグロテスクな残酷描写すらも、人間のどの部分が欠損しているのかすらも判りにくくしていて、敵対する相手のとの距離感や位置関係を図るような全景ショットを挟むなどして、見せ場を構築しないと、過激な描写もアクションも何もかも台無しです。

前作では、ホラー映画のセオリーに習った上で、R18+の表現に挑戦したことが良かったのに、今作では映画として伝えることがおろそかになっていて、コミカルにすかしている部分も、前作とのリンクも、効果が弱くなってしまっていて、かなり残念が出来でした。
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