ジェイD

バイオレント・ナイトのジェイDのレビュー・感想・評価

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)
3.9
サンタが街にやってきた!"ガチ"のサンタが!笑 自分の操る魔法すら、自分の目的すら朧げになった屈強なお爺さんが、全然ハッピーじゃない事件に巻き込まれながらも子供たちに信じてもらうことの大切さを思い出していく聖夜のハートフル大暴れ。

欲深い子供達に辟易してきたサンタさん。今年もプレゼントを配りにトナカイ達とやってきた。しかしとある大富豪の豪邸に降り立った彼が鉢合わせたのは金庫狙いの極悪強盗集団!色々あって帰路も絶たれたサンタさんは、良い子にクリスマスを届けるために"悪い子"の成敗に立ち上がる。

なんでこれを観ようと思ったのか自分でもわからないのだが、ちゃんと良作だったので嬉しかったです。しっかり景気の良いバイオレントを見せてくれるし、アイデアも良い。何よりそんな大人向け作品でありながら"クリスマスの魔法"を否定しないというバランスが素晴らしい!

誰だっていつかは気づく、サンタさんなんていないんだよという現実。それに対して「いや俺いるぜ?!信じてれば来るぜ?!」とガチでソリを飛ばして四次元ポケットみたいな袋を担ぐ爺さんが暴れ回るのが痛快。しかもどれだけグレてても、良い子には真摯に向き合いプレゼントを届ける義務を果たすから信頼度も高い。

とはいえこのサンタさん全能最強なわけでは無く、普通にボコられたりするし及び腰で逃げるしで笑えるので途中までは力を抜いて観れる。ある程度物語の地盤を固めてからさぁ行くぞとギアを入れてからが本番。「ホームアローン」は本当はやっちゃいけないよと丁寧に描写し、実はサンタになる前は色々ヤバかったんだよと体に鞭打ちながら戦う様にニンマリしてしまう。悪い子の成敗にしては力を入れ過ぎてる、まあ本当に悪い子たちではあるが。

上映時間も長過ぎないのでサクッと観れます。『Mr.ノーバディ』(2021)のような悪人が凄い勢いで死んでくけどスッキリしてしまうという背徳感となんでこんな映画にホロっと来るんだよというクリスマスの魔法を絶妙な調合でお届けする快作。せめて12月に公開しろよ笑、なんで日本は2月公開なのよオ!

ハンマーが映っただけでテンション上がる演出メッチャ良かったし笑った。
ジェイD

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