真田ピロシキ

オオカミ狩りの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

オオカミ狩り(2022年製作の映画)
2.5
邦題を言ってはいけないマブリーの詐欺師ドラマでW主人公だったソ・イングクの主演映画として気になってた作品。凶悪犯を護送する船で計画されてた反乱発生。通信を遮断され孤立無援の警察官たちとの戦い。要は『コンエアー』みたいなもの。えらく暴力表現が派手。その手の韓国バイオレンスはあまり好みでもなく、キャラクターもマブリーや『ただ悪より救いたまえ』の人間ターミネーターほどのタレント性にも欠けてて薄味だが、ダラーっと見る分には悪くないかなと思ってた。ただ、なんか変なのがいる。

そうこうして反乱開始。イングクさん、殺した刑事に小便をかけ船員の命にも全く無頓着でとてもとても悪い人です。船の運行に必要な機関士も殺してるので何も考えていないだけにも見えますが。もしかしてアホなんじゃ。しかしそこで大量殺戮で滴った血が地下に染みて、そこにいた変な奴が吸収そして急襲。圧倒的パワーで警官も犯罪者も虐殺。ちょっと待て。『フロムダスクティルドーン』のような映画だったのか?聞いてないぞ。味方ごと撃つ非情さを見せるイングクさんだが、バケモノには全く通じず始まって1時間程度で冴えない捨て台詞を吐きながらあっさり死亡。あの、この人がクレジットで一番上に名前あるんですが…何と言いますか、ジョーカーが身の程知らずにも調子に乗ってスーパーマンとかのメタヒューマン系の敵、ゾッド将軍やシネストロに喧嘩売るけど全く忖度してもらえずゴミクズ同然にぶち殺されるような感じです。ここまであからさまな客寄せパンダなのは面白いと言えば面白いが。

映画の雰囲気はどんどん変わっていってアンブレラの類が元凶らしい。ばいぉーはざぁーっど。大元を辿ると旧日本軍の人体実験。日本軍なんかいくらバカにしても構わないが、話のノリがものすごくアホらしいので真剣に考えた方がいいのか、バッカでーと笑い飛ばすべきなのか分からない。バケモノの戦闘能力が場面によって変動してるのも大減点。人間が腕を噛み千切るってどういうことなのよ。銃弾なんか効かないのにわざわざ避ける時もあるし、回避アクションのチュートリアルでもしてんの?真の主人公くんも改造人間で、悪のオッサンも改造人間でクライマックスバトル勃発。すまないが仮面ライダーなりタイツヒーローなりに変身してくれないか?世界観がよく分からないんだよ。終いにはあからさまに続編を匂わせる結末。アホくさーウェブトゥーン原作なんやろうね。そうでなくてもこういうのは評判のいい『悪魔を見た』も『魔女』もバカバカしい映画としか思えなかったのでU-NEXTのあり余ってるポイントを消費できただけだった。

面白かったのはヤクザな兄貴とその愛人の姐さんが意外にもお互いの身を心から案じている悪人ながら真っ当で、このしょうもない話の中で少し心が動いた。それとドアの有効活用法。マブリー顔負け。