ヒノモト

少女は卒業しないのヒノモトのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.1
東京国際映画祭2022より、来年2月公開の中川駿脚本監督作品。
原作未読です。

廃校が決まった地方の高校の卒業式の前日と当日2日間を描いた群像劇。

現代の女子高生の光景をこれを書いてるかけ離れた世代の大人の鑑賞に堪えられるか不安でしたが、言動やスマホを持つのは今時ですが、高校卒業というノスタルジーでかけがえのない時間をほんの少し懐かしく感じるくらい、間口を広く、様々な立場からの見せ方をしているので、充分許容できる内容でした。

単独初主演となる河合優実さん演じる山城まなみは、卒業式で送辞を読む大役を任されますが、その裏にある陰の部分の描写は、台詞、所作ともに、いかにも日本映画的にエモーショナルに終盤を盛り上げ、涙腺が緩むところもありましたが、劇伴で盛り上げることなく、学校という空間における環境音を生かしていて、ドラマチックになりすぎず、個々のエピソードが分散されていることもあって、偏りすぎないところはバランスが良かったです。

メインとなる4人の女子高生だけでなく、同級生の男子や、下級生の軽音楽部のエピソードも印象的で、卒業式という共通の時間の中でありながら、シチュエーションが分かれているため、個々の登場人物の個性が粒立って見えて、それぞれの思いや感じ方の違いを感じることができ、高校生活が充実していた人もそうでない人にも幅広く楽しめる作品になっていると思いました。

本編ショットと舞台挨拶の写真を含むブログは以下より
https://ameblo.jp/hinomoto-hertz/entry-12771451660.html
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