耶馬英彦

コンフィデンシャル:国際共助捜査の耶馬英彦のレビュー・感想・評価

3.5
 韓国映画は、撮影技術やプロットなどは進化しているが、世界観は日本の戦後の昭和時代みたいで、家父長主義が支配的だ。そのことをテーマにした作品は、いくつか鑑賞した。「はちどり」や「82年生まれ、キム・ジヨン」などだ。立場の弱い女性のありようがリアルに描かれていた。

 本作品は刑事もののアクション映画だが、それでも家父長主義や全体主義がそこかしこに顔を覗かせる。鑑賞していて、そこが少し気になった。
 話としては面白かったし、ユーモアも混じえていて、楽しく鑑賞できた。序盤に登場するドローンの伏線がラストできっちり回収されるところもよく考えられている。悪代官みたいな人物が登場したあたりで、水戸黄門が浮かんでしまった。上様を悪者に出来ないところも水戸黄門に似ているが、現状の政治情勢を考えれば、このあたりが落としどころだろう。多方面に気を使ってコメディに仕上げている訳だ。
耶馬英彦

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