このレビューはネタバレを含みます
アマプラ様…！当時カメ止めや『メランコリック』的な話題の上がり方をしており、DVD化を待ち望んでいたインディーズ系。
内容的にも、社会派カメ止めといった感じで一見の価値はあると思う。また、カメ止めだけじゃなく、同じく上田監督の『スペシャルアクターズ』とも通じる設定もあるのが面白い。
元が舞台というのもあり、演技が舞台向けって感じで最初は映画を観てる感覚として合わなかったが、佐久間の心情の変化を繊細に演じ切ったのは流石プロ。罪を悔い改める死刑囚の物語として普通に泣きそうになった。
元が舞台のお陰か、限られた室内で展開されるストーリーのお陰で低予算も感じにくい。
どんでん返しも含めたストーリーは、カメントツ先生の描いた短編漫画「大死刑」と似ている。大死刑は、死刑囚が子ども時代に転送され、大切な人と出会いやり直したところに罪を犯した自分が現れ同じやり方で殺される擬似体験をさせられる刑罰ができた未来の話。知ってて見てもエゲつないので、ぜひご一読を。
整合性等については少し伏線や前フリの弱い部分があり後出し感も強いものの、チープさを逆手に取った感もある。
また、どんでん返しものながら、スカッとするタイプではなく(むしろ復讐を演じた人間たちへの不快感を覚えさせられる)、エンタメじゃないどんでん返しで単に「だまされた〜！」で終わらせない余韻に高山直美のテーマを感じる。
特に赤西を通じて行き過ぎた正義感だけじゃなく、犯罪者への扱いという視点でも考えさせられる興味深い内容だ。『M』の後に観たのもあり、私刑について余計に考えさせられる。どんな犯罪者でも、生い立ち等でまんまと感情移入してしまう可能性がある我々。
難点は少なくないものの、最後まで罪を悔い改めるという点は一貫しているのも良かった。
「カタカナァ！！」のとこ笑った。普通の会社で同じ感じになってる人いそう。天丼も良い。
赤西くん終始キレてて笑う。
MVPはミスリード中と、ネタバラシ後の演じ分けが見事だった部長さん。部長さんと佐久間みたいな関係性好き。
映像：=====B
脚本：======A
編集：====C
俳優：======A
人物：=====B
音楽：===D
音響：====C
【MVP】渋澤篤郎
