さくぞー

悪は存在しないのさくぞーのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

今年の新作50本目!すごい映画だったが、まだこれを☆4.0以上の大傑作とできるほどの度胸も理解力もない。ホラー映画。マジで「ええっ!?」てなって終わった。絵面はゆるキャンなのにずっと居心地が悪い。

そんな中で断言できる感想は、ロケーションの良さに頼り切らないショットの面白さとキャラクター造形。登場人物みんな好き。好感度という点でなく、人間臭さという点で。そんな中で唯一フィクションのキャラクター感のある主人公の巧。山奥の田舎の便利屋という設定と強キャラ感のある佇まいが一線を画していた。あのラストからして意図的に描かれているのだろう。
しかし好きなのは高橋。あのザ・という感じの悪人ではないし知り合いにいるぶんにはいいけど深く関わるのは何か嫌というか、浅い所で人生を舐めてる感が最高。大学時代飲み行きまくったりシーシャ吸ってそう。
コンサルタントもコテコテで笑う。濱口監督レベルの人がこういう描き方するんだから、ガチでこんな人いるんだろうな。

ショットも擬似ワンカット風かと思ったら音楽と合わせてぶつ切り場面を変えたり、車内の後方の窓から外を映す現実的じゃない(車に乗ってて何もない時あんなに振り返ることはない)のが面白い。
そして自由・潤沢だな、と。あんだけ冒頭とか時間使って106分とはお見事。180分あったドラカーはじめ長尺の人のイメージだけど、このレベルの人にくると長さとか関係ないわな。
色んな人のレビューを見たり語りあったり、鑑賞後も余韻が残る映画。

映像:=======S
脚本:=====B
編集:=======S
俳優:=======S
人物:=======S
音楽:======A
音響:=======S
【MVP】高橋
さくぞー

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